鈴木良太

2020年8月11日1 分

二人っきりのときにやってください。

「鈴木。お呼びが入ったぞ。」

「もう。何?僕、仕事中だけど。

「すーちゃん!!すーちゃん!!」

どこかで変なオヤジの声が聞こえる。

「きやがったか。池内(さん。歳上にはさん付けで呼びましょう)。」

ギュッ。

昼間っからいきなりのハグ。

「鈴木!!会いたかったぞ!!海外行けてなくて、寂しがってると思って来てやったぞ。」

「もうっ。濃厚接触です!!池内さん!!僕には用がないでしょ!!担当のとこ行ってください!!」

「好きだ!!鈴木!!」

ギュッ。

この光景、信じられないかもしれないが、他の同僚の前で普通にする。

同僚たちは面白がっている。

「海外行けないから、秋に沖縄行こうと思ってます。」

「やめとけ。そんなことより俺と飲みに行こう。」

こういう積極的な誘いは正直、キュンとくる。

だけど、素直にハイとは言えない。

同僚見てるし。

陰では同僚に、

「もう。池内さんにセクハラされて困っています。僕、ホモじゃないです。」

って言ってるから。

でも、山本さんを失った今、あなたに寄り添いたいと思ってしまった。

ああ。

このまま、池内さんに抱かれたらどんなに嬉しいのだろうか。

「あ〜。鈴木。やっぱり俺のこと愛してるだろ?チューしよチュー。」

やっぱこのジジイ!!ダメ!!

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