「鈴木。お呼びが入ったぞ。」
「もう。何?僕、仕事中だけど。
「すーちゃん!!すーちゃん!!」
どこかで変なオヤジの声が聞こえる。
「きやがったか。池内(さん。歳上にはさん付けで呼びましょう)。」
ギュッ。
昼間っからいきなりのハグ。
「鈴木!!会いたかったぞ!!海外行けてなくて、寂しがってると思って来てやったぞ。」
「もうっ。濃厚接触です!!池内さん!!僕には用がないでしょ!!担当のとこ行ってください!!」
「好きだ!!鈴木!!」
ギュッ。
この光景、信じられないかもしれないが、他の同僚の前で普通にする。
同僚たちは面白がっている。
「海外行けないから、秋に沖縄行こうと思ってます。」
「やめとけ。そんなことより俺と飲みに行こう。」
こういう積極的な誘いは正直、キュンとくる。
だけど、素直にハイとは言えない。
同僚見てるし。
陰では同僚に、
「もう。池内さんにセクハラされて困っています。僕、ホモじゃないです。」
って言ってるから。
でも、山本さんを失った今、あなたに寄り添いたいと思ってしまった。
ああ。
このまま、池内さんに抱かれたらどんなに嬉しいのだろうか。
「あ〜。鈴木。やっぱり俺のこと愛してるだろ?チューしよチュー。」
やっぱこのジジイ!!ダメ!!