やらしい思惑がうごめく池内さん達との忘年会が無事に終わった。
さて、結果はどうだったか。
集合場所にいち早く着いたのは僕。
初めてくる場所は不安になるので、一時間以上前には到着地に来てしまう悪い癖がある僕。
時間が余ってしまい、こんなことだったら「呪術廻戦」の新刊を買いに行けばよかったと後悔した。
遅れて、池内さんが現れた。
池内さんは塩対応。
いつもみたいにベタベタしない。
いや最近はやや僕に冷たかった。
うちの会社の豊橋さんとばっかり話すし。
また遅れて豊橋さんが来た。
「鈴木。早いな。」
僕と豊橋さん、池内さんと池内さんの会社の秘書の女性の方と忘年会が始まった。
「乾杯!!」
僕はそんなにアルコールが好きなわけじゃないけど、付き合い程度なら全然大丈夫なので、みんなに合わせてビールにした。
豊橋さんが普段からのストレスなのか、飲むペースが早い。
いつもは池内さんのうるさい説教タイムに入りそうなのだが、今日は豊橋さんが饒舌だ。
うるさい池内さんを抑えて、豊橋さんが若干暴走気味。
二軒目は豊橋さんの馴染みのお店に行くことになった。
終始豊橋さんのペースになった。
池内さんがいつもより静かでなんかよかった。
でも池内さんのスキンシップが多いところが気になった。
いちいち肩を触ってくる。
そんなとき、すかさず豊橋さんが、
「池内さん。鈴木を狙ってるんでしょ?このあと、鈴木のケツを入れる気なんでしょ?」
僕はびっくりした。
僕と池内さんだけだったらなんとも思わなかったけど、他に女性の方もいるのに、なんて過激なことを言うんだと思った。
いつも下ネタばかり言う池内さんもさすがに話を流していた。
最後、帰り際、
「おい。鈴木。ちゃんと豊橋を家まで送り届けろよ。」
と、池内さんが言い、夜の街に消えていった。
良かったのか、悪かったのか。
まあ楽しい忘年会だったから良かったけど。
池内さんの僕に対する真意はまたわからずじまいになった。