鈴木良太

2020年11月19日1 分

表現がエロい。

僕はもう山本さんのことを考えない。

どうせ、恋人がいるんだろ?

男か女かわからないけど。

もう、すごく悔しい。

「鬼滅の刃」の映画をおそらく二人で観に行きやがって、僕は絶対にいかない。

山本さんのせいで。

映画に行ったら、山本さんのことばかり考えてしまいそうだ。

でも、仕事で必ず山本さんと出会う。

無視するなんて、大人のすることじゃない。

もう、当たり障りのない天気の話しかしない。

とかなんとか考えていたら、山本さんが来た。

「お疲れ様です。」

「今週は先週よりだいぶあったかい。もう冬の気持ちでいたのに、なんか調子狂う。イヤーマフも新しいの買う予定やったけど、こんなんやったら買えない。」

「こんなに暑くてイヤーマフしたら、蒸れるで。

蒸れる。

なぜだろう。

とても卑猥な表現に聞こえる。

その時の山本さんの目つきもいやらしかった。

僕の胸がドキドキしている。

感じてしまっている。

山本さんに飛びつきたくなった。

もう、僕のバカバカ。

なんでこんな日に限って、山本さんは優しいだ。

ホント、彼氏か彼女が憎らしくてしょうがない。

呪力を込めようかな。

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