ウソつき。
- 鈴木良太
- 2020年8月16日
- 読了時間: 2分
盆休み前。
配送先の主任と電話で話すことがあった。
僕は気になっていたあのことを話すことにした。
ここの主任は、もしかすると僕の内に秘めた想いに気づいているかもしれないのだ。
数年前、山本さんの奥さんが亡くなった時、山本さんは仕事を一週間休んだ。
その時は、山本さんの代わりに主任が配送に来ていた。
僕は山本さんが休んでいる理由を主任には聞かなかった。
主任は寂しそうにしている僕に察したのか、理由を教えてくれた。
「鈴木さん。いつも山本と仲良くしてくれてありがとうございます。実は山本、奥さんを病気で亡くされたそうでしばらくはお休みします。その間は私か代わりの者が配送させていただきます。帰ってきたら、また仲良くしてやってください。」
なんて、いい人。(主任)
このとき、主任の優しさに胸がキュンときた。
そんな主任に聞いてみた。
「山本さんはなんで移動したんですか?」
「えっ。移動してませんよ。あいつ、言ってませんでした?病気で入院するって。」
「えっ。」
なんでそんな嘘つくんだろう。
移動するって言って、帰ってきたよってやつ?
たしかに僕はそういう嘘をするのが大好きなヤツだ。
驚く顔が見たいから。
山本さんもそっち系だっけ?
気が利かない山本さんもそっち系?
この嬉しいような悲しい気持ちは何?
僕は騙された感が強い。
もちろん、10倍返し。
毎日毎日セクハラの嵐。
お腹はもちろん。
ケツと前も覚悟しとけ。
山本!!
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