「鈴木!!会いたかったぞ!!」
出会って早々、いきなり抱きついてきた。
「お久しぶりですね。池内さん。あっ。コロナでしたもんね。」
「おまえのことずっと心配しててんぞ。おまえ生きてたか?」
「(相変わらず、人の話を聞いてない。)僕はいつも通り、元気です。池内さんも元気で良かったです。」
「おまえのこと愛してるねんぞ。またおまえどっか行ってたんか?」
「(今の状況でいけるわけないやろ。ちょっと考えたらわかるやろ。)ずっと家で自粛していましたよ。」
「そうか。一緒にどっか行こう。」
「(いけるか。)池内さんは相変わらずですね。」
「ちょっと鈴木みてみぃ。」
「ん?」
池内さんはマスクを取った。
ヒゲを生やしていた。
「どう?」
「あっ。ヒゲを生やされたんですね。」
そう言って、嵐のような男池内さんはうちの会社から帰っていった。
でも不覚にもかわいいやつだと思ってしまった。